恐ろしかった雪道の運転

数年前、平日の朝に雪が降って、車移動が大変だったことがありました。北海道のように、「冬は雪が降る」というのが常識ではない私の地域の車の所有者達は、その殆どがチェーンを装備していない状態だと思います。それは走っている車を見てわかるし、出勤の際、チェーン装備の人が、そうでない人を送り迎えする、なんてこともあるくらいなのです。雪が降ったその日の渋滞は予想をはるかに超えていて、どの車もおそるおそるのスピードで走行していきます。どこかで誰かの車が立ち往生しているのか、ほぼ止まっているのに近い走行に、ただでさえ遠い勤務地まで辿り着けない状況にいらいらしてしまいました。バスか、タクシーを使うべきだった、と思った時は既に引き返せない場所にいて、覚悟を決めるしかありませんでした。
 雪が降っていることは誰の目にも明らかなので、落ち着いて走れ、と自分に呪文をかけるけれど、そういう状態になると気が急いてできないものだと知るのです。そのため、「急いでいる時に一番してはいけないこと」をしてしまい、やらかした!と一人声を上げてしまいました。そう、きっとこっちの道を行ったほうが早く着く、と信じて回った道は、私の未熟な運転技術では走行不可能な道だったのです。そこは一台が通るのが精一杯で、くねくねとでこぼこが連続している道でした。しかも雪道。それでもここを通過するしか道は残されていなかったのでした。私はアクセルを踏むことも、ブレーキをかけることもスリップを招いてしまう道を、半ば放心状態で通過していきました。幸い対向車が来なかったことで難を逃れたものの、後々まで恐ろしい思い出となりました。